なろう作品の中でもかなり異色な『異世界食堂』
『異世界食堂』はラノベが好きな若い人達にとってはもはや何度も耳にしたことがあるなろう作品の1つです。
しかし、一昔前に流行った転生した人が最強になって好きかってするような作品ではまったくありません。
それに近い描写は皆無ですし、そもそも主人公は転生していません。
ザックリと概要を説明すると洋食屋の『洋食のねこや』が何故か土曜日だけ異世界と繋がってしまい、この土曜日に色んな人達が訪れその訪れる人達を中心にした明確な主人公が存在しない作品なのです。
1話完結型が基本でありそれぞれの話で主役が異なるので、ヒロインもヒーローもいない不思議なテイストに仕上がっています。
料理が軸ではない?
洋食屋の『洋食のねこや』で異世界の人達がお食事をする作品ではありますが、リンクしている異世界が基本的に同じです。
そのため、普通ではそう簡単にお付き合いできない遠方にいる方々とこの洋食屋でお話しすることができるようになっています。
また、異世界で何がどうなっているのかが主人公が変わるごとに少しずつ見えてくるので、実は他のお話で主人公になった人達と何らかの繋がりがあるといったケースも多く、何気ないリンクが物語を綴り料理だけに注目される作品でもないのです。
いわゆる料理が主役でもなければ料理をする人達が主役でもない不思議な作品であり、作者も「主役は異世界人」と明言していることからこの部分は意図的に表現されているのがよくわかります。
作品の見どころは?
作品の見どころはめちゃくちゃファンタジーの人達がいわゆる日本にある一般的な洋食屋と綺麗に結びついて物語が続いていくことです。
全くマッチしないと感じてしまう両者ですが、この2つが見事にかけあわさっており不思議な作品に仕上がっています。
元々の原作が文才を高く評価されている短編型の小説だっただけに、アニメでもそれを見事に再現しているのです。
また、土曜日だけ異世界と繋がるというのもミソで、ある決まったタイミングで決まった場所に突如現れる不思議な扉が異世界にできあがるようになっています。
このルールを知らない異世界人が見るともう一度行こうとしたら店の扉がないなんてこともよくあるお話で、ルールを知っている異世界人がその日を楽しみにしたり、知らない異世界人がガックリする様子も見ることになるでしょう。
こういった姿も楽しむことが出来るのが本作の見どころでもあります。
アニメも原作も質が高い
色々とアニメや小説を見て読んでいますが、どちらも非常にクオリティが高いと感じており絶対におすすめしたい作品です。
ただし、アニメの質が高いということは料理の表現力も高いことを意味していますので、夜中に見ると簡単にメシテロを食らうことになるのは要注意です。
お腹が減っているときに某ゴローちゃんばりに見ることをある意味でおすすめしにくい作品にもなっています。